土台を育む保育

 

ご入園・ご進級、おめでとうございます。

 近年、子ども・子育てをめぐる環境は大きく変化しています。20234月にはこども基本法が施行され、日本の子育て施策は国連の「子どもの権利条約」の精神に基づいて行われることが明記されました。子どもを守り、育むことはこれまでと変わらないのですが、子どもの意見を尊重することが付け加えられたのが、大きな変更点となります。

 私たち大人が子どもの頃は、子どもに対しての愛情や思いやりがあれば、大人が信じる「子どもの幸せ」を子どもに押し付けることに問題はないと考えられていました。そのため、「男の子は青色、女の子はピンク色」だったし、「ピンク色がいい」という男の子に対して、「そんなこと言ってたら恥ずかしいよ。こっちのほうがカッコイイのだから、文句言わない!」のように、「ピンク色がいい」という子どもの意見よりも大人の「常識」を優先するのが、よくある子育ての風景でした。

 しかし、今は違います。子どもが「ピンク色がいい」と意見を言ったなら、「そっか、ピンクの方が好きなんだね。教えてくれてありがとう。男の子は青色と勝手に決めてごめんね」と対応するのが、現代の子育てです。意見を言ったら周りが尊重してくれたという体験は、「自分は、周りの人が優しくしてくれるだけの価値ある存在である」と感じられる体験であり、「自分らしく生きていい」という自尊心の土台となります。

 2024年度には園長が交代し、やまのこ保育園は新しい体制となります。伊藤園長をはじめ、やまのこ保育園の職員一同は、これからも子ども時代の土台を育む保育を実践していきます。保護者の皆さんと力を合わせながら、一人ひとりの子どもが今日を楽しみ、将来に向かって力をつけていく毎日を作っていきましょう。                  

(理事長  岡田 健一)

 

子どもも大人もみんな一緒に成長したい

 

ご入園、ご進級おめでとうございます。

 今年度は、新しいお友だち20名をお迎えして全園児数が106名、職員29名でスタートいたします。

 やまのこ保育園のまわりには、豊かな自然がいっぱいです。春は桜で山がピンク色に染まり、夏は若葉から深緑へ、秋は見事な紅葉、そして冬は雪景色と四季折々の姿を見せてくれます。この豊かな自然の中で、いろいろな体験をくぐりながら発見したことを、大好きな友だちや先生たちと共感し、「なぜだろう?」「どうしてかな?」という科学的な興味や探求心を育てていきたいと思っています。上手くいったこと、失敗したことも子どもたちの大事な学びです。遊びを通し、子どもたちは自分やまわりへの信頼を築き、友だちと一緒に遊びを作り出したり、困難にも立ち向かえる力をつけていきます。また、開園時から“食”にもこだわってきました。和食中心の献立で、カレーのルーも粉から作っています。子どもたちの成長の基本は身体づくりです。五感を使って“食への学び”へ繋げることで食べる意欲を育て、健康な身体と生きる力をつけていきたいと思っています。

 人格形成の大事な時だからこそ、“子どもたちにとって何が良いのか”考え合い、子どもたちを真ん中に、まわりの大人たちが手をつなぎ、子どもも大人も共に育っていきましょう。どうぞ、一年間よろしくお願い致します。

 

(園長 伊藤 奈美)

保育方針~こんな子どもを育てたい~

心も体も健康で明るい子ども

 きれいな水と空気、そして緑豊かなこの環境の中で遊び、生活ができることは子ども達にとってなんと幸せなことかと日々実感しています。

 たっぷり食べて、たっぷり遊んで、たっぷり眠ることで健康な身体づくりをしていきたいと思っています。仲間と笑いあって、しっかりと身体を動かして遊び込みながらも心も豊かに育ちあってほしいと思っています。

 

 

自分のことが自分でできる意欲に満ちた子ども

 子どもは自分のことを自分でできるようになることがうれしくてたまらないのです。

 はじめは大人から援助してもらいながら、だんだんと自分でできるようになり、自身がもてるようになった子どもは、まわりの友だちや大人たちへ関心を広げ、社会への関心へも高まりその一員としての基礎を育てていきます。

 

 

自然に親しみをもち感じる心が豊かな子ども

 好奇心いっぱいで、見たがりや、やりたがりやの子どもたちは考える力も育ちます。

 保育園のまわりには自然がいっぱい。虫も草も木もみんな子どもと友だちです。自分の目で見る、さわってみる、においをかぐ、音を聞く、味わってみるなど五感を使っていろいろな体験をくぐらせたいと思っています。

 

 

自分が好きで人が好きな子ども

 自分のことをわかってくれる人と関わる中で安心して自分を出し、大好きな大人や仲良しの友だち、周りの人たちとの関わりのなかで子どもは《自分》を発見していきます。そして、笑いあったり、要求のぶつかり合いでけんかをしたりしながら《自分は自分でいいんだ》という自己肯定感が育ちます。

 自分を好きになり、たくさんの人を知り、人を好きになり、その人を思いやり、考えたり行動できる子どもを育てたいと思います。

 

 

自分で考え判断する力をもち、表現力豊かな子ども

 子どもたちはいろいろな方法で思いを表現し伝えようとしています。話に耳を傾け、その思いをわかってくれる相手がいれば、もっともっと伝えたくなります。対等な関係づくりと対等な話し合いをくぐって、自分で考え判断する力を育てていきたいと思っています。